当施設の認知症介護

 当施設では、大分県認知症介護実践者研修・リーダー研修等を修了した専門スタッフを配置し、認知症介護を実践しています。

 特に認知症のBPSD(*)に対しては、認知症の人の視点や立場に立って理解し、背景に応じた適切なケアや環境調整、リハビリテーション等非薬物療法を実践しています。非薬物療法だけではBPSDのコントロールが難しい場合は、医師の判断で抗精神病薬、抗うつ薬、漢方薬などを使用する薬物療法を行う事がありますが、いずれにしてもご利用者の「不安」に着目し、認知症の人ご本人の反応を注意深く観察しながら、保たれている機能を最大限発揮できるよう、より専門性の高い認知症介護を実践しています。

(*BPSD) 認知症の周辺症状。

“behavioral and psychological symptoms of dementia”,

 

 認知症の症状には大きく分けて中核症状と周辺症状の2つがある。

  • 中核症状は、記憶障害や見当識障害、判断力の低下など一般的に認知症の症状として知られており皆に現れるもの。
  • 周辺症状は中核症状により引き起こされる二次的な症状で、介護者が対応に苦慮することも多い。
  • 具体的には,易刺激性,焦燥・興奮,脱抑制,異常行動,妄想,幻覚,うつ,不安,多幸感,アパシー,夜間行動異常,食行動異常などが含まれる.疾患に起因する遺伝的要因や神経生物学的要因に加えて,心理学的要因や社会的要因が絡み合って出現する.

[2011 日老医誌 一部抜粋]

認知症とは

( 厚生労働省HPより )

 認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。

 認知症にはいくつかの種類があります。アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多く、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症です。症状はもの忘れで発症することが多く、ゆっくりと進行します。

 次いで多いのが脳梗塞や脳出血などの脳血管障害による血管性認知症です。障害された脳の部位によって症状が異なるため、一部の認知機能は保たれている「まだら認知症」が特徴です。症状はゆっくり進行することもあれば、階段状に急速に進む場合もあります。また、血管性認知症にアルツハイマー型認知症が合併している患者さんも多くみられます。

 その他に、現実には見えないものが見える幻視や、手足が震えたり歩幅が小刻みになって転びやすくなる症状(パーキンソン症状)があらわれるレビー小体型認知症、スムーズに言葉が出てこない・言い間違いが多い、感情の抑制がきかなくなる、社会のルールを守れなくなるといった症状があらわれる前頭側頭型認知症といったものがあります。



 併設の向井病院は、大分県【東部】の認知症相談機関となっております。

 大分県では、地域における認知症医療の核となる専門医療機関として、認知症疾患医療センターを指定しています。

 

 認知症疾患医療センターでは、認知症の患者さんとそのご家族が住み慣れた地域で安心して生活が出来るための支援の場所として、都道府県や政令指定都市が指定する病院に設置するもので、認知症疾患における鑑別診断、地域における医療機関等の紹介、医療の相談の受付などを行います。

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